変わらない。変わらない。



「い〜い天気だねぇグラハム」

「祝福の晴天だな!」

「おいおいアンタら…。いくら俺が捕虜の価値のなくなった人間だからって見張りもなしにこんな所に
連れて来ていいのかよ」

「見張りなら私たちがいるだろう」

「たまには三人でピクニック☆というのもいいじゃないか」

「何が悲しくて三十路男たちとピクニックなんて…」

「愛に歳の差など関係ないぞ!!」

「アンタにはカタギリがいるだろうが!!」

「やめなよグラハム。ロックオンが嫌がってる」


 ◇


「寒くはないか、アレルヤ」

「大丈夫です。ソーマは?」

「平気だ。アレルヤ、早く来い」

「うわっ、ちょっと、待ってソーマ!セルゲイさん!!」

「足元に気をつけなさい」

「はい、大佐」

「ねぇソーマ、僕、手錠しなくていいの?ここ、公園だよね?」

「公園で手錠?必要ないだろう」

「でも、僕、一応人革連の捕虜なんだし…」

「シミュレータで模擬戦をする時は外すだろう」

「だけど…」

「必要ないと言っているんだから素直に従え。行くぞ」

「え!?ソーマぁっ!!」


 ◇


「ふむ…。――さて、ロックオン」

「なんだよ急に改まって…」

「君がユニオンに捕らわれてから二年が過ぎた。この二年間、我々は君に対して悪いようにはしてこな
かった筈だが、どうだろう」

「…確かにな。酷い拷問もされなかったし、ソレスタルビーイングが活動を活発化させてからは俺どこ
ろじゃなくて拘束も緩かったし。どこかの誰かさんが夜這いに来て罠にはまって悲鳴あげてる以外は、
至って平和で、悪い二年間じゃなかったぜ」

「それはよかった。だが、夢の中では?」

「‥‥‥‥‥」

「二日に一回はうなされて飛び起きる君を知っている。伊達に夜這いをしていた訳じゃない」



「‥‥忘れられない…。忘れたい訳じゃないんだけど、最後に聞いた声がアイツの叫び声で、最後に見
た姿が拘束された姿だったから‥‥」

「笑顔の彼に会いたい?」

「‥‥‥会えるものなら…っ」

「――――。‥‥約束を、覚えているか?」

「やく、そく‥‥?」


 ◇


「アレルヤ」

「なに?ソーマ」

「お前は昨日も泣いていたな」

「っ!?なんで知って…!!」

「また恋人が死ぬ夢か?」

「死んで、ないよ…。だけど、うん、たぶん…そんなふうな夢」

「恋人が倒れる瞬間、どんなに足掻いても手が届かない夢、だったな」

「うん‥‥」

「ほとんど毎日見ているな。見ないのは徹夜した時か拷問されて気を失った時くらいだ」

「そうだね…」

「アレルヤは‥‥大佐が二年前に言ったことを覚えているか?」

「二年前…?」

「そうだ。二年前に、大佐はお前に言っただろう」

「二年前‥‥」

「足を止めるな。もうすぐだ!」

「痛いよソーマ!何をそんなに急いで‥‥っ!?」


 ◇


「っっ!?‥‥グラハム、カタギリ…!?」

「あぁ。我々は約束は守る」

「行きなよ、ロックオン」

「っ、ありが、と‥‥っ!!」


 ◇


「う、そ‥‥」

「嘘じゃない。あの人だろう?」

「行きなさい、アレルヤ。約束は、遅くなってしまったけれど」

「セルゲイさんっ、ソーマっ‥‥」






「アレルヤぁぁっ!!」



「ロックオン…っ!!」






「アレルヤ!アレルヤ!あぁ…会いたかった…っ!!」

「僕もです、ロックオン…!―――お願い、顔を見せて…?」

「お前…、いつまで成長期なんだよ…。二年の間にこんなにでかくなりやがって…。髪も、俺より長い
だろ、もう…」

「貴方は、変わってない…。少し、髪型を変えた?」



「アレルヤ…」

「ねぇロックオン。僕の見た目はすごく変わってしまったけれど、僕の、貴方に対する気持ちは変わっ
てない…」

「アレルヤ?」

「貴方は?――…貴方は、僕のこと、今はどう思ってます…?」







「好きだよ!大好きだアレルヤ!!」

「僕も…僕も貴方を愛してます…っ!!」





「離しません、もう…ずっと…っ!!」

「あぁ!ずっと、一緒だ…!!」






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台詞オンリーですいませんごめんなさいすいません(平謝り)
日付を見ていただくとわかると思いますが、邂逅編書くより先に仕上げてるんですよね、この話(苦笑)
だって早く再会させてあげたかったんですよぅ…。
あ、場所のイメージはセントラルパークです。行ったこともないし調べてもいませんが(爆)

これから更に再会編が続いてしまいます。長々とすいません。。。

2008/01/30

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