Lacrimosa〜Love you only 薄暗い店内。酒を飲み交わすバンドのメンバーやライブ運営の協力者たち。 ハレルヤは人と喋ることに疲れ、一人、椅子に腰掛けていると、ふいにライルがやってきて背中に寄り かかってきた。 「なんだよ重てぇな」 肩越しに振り返ると、僅かに頬を紅潮させたライルが潤んだ瞳でこちらを見ている。 「えへへー。ハレルヤぁ〜」 酔ってるな。ハレルヤはライルにばれないように小さくため息をついた。その時、マネージャーが二人 の元を訪れ、二枚の写真を二人に差し出す。 「これは…こないだのライブの時の写真か」 驚きつつも突然のキスを喜んで受け入れたライルは笑顔で、指輪に口づける表情も穏やかだった。 写真を二人に渡すと、マネージャーはバンドのメンバーの元へ戻っていく。 しばらく写真を見ていると、ライルがさっきよりも勢いよく抱きついてきた。 「なぁハレルヤ、帰ろう?今すぐ。ニールとアレルヤには一言言えばいいじゃんか」 やけに強引だな、とハレルヤが眉をひそめるとライルは耳元に口を寄せて囁いた。 「…さっきの写真見て、ハレルヤに抱きついてたら、なんか興奮しちゃった…。帰って、抱いてよ…」 「ライル…」 ハレルヤはまずライルの唇を深く塞ぐと、とろんとした目のライルを腕を掴んで無理矢理立たせる。 「帰らなくても、できる場所があんだろ」 「えっ!?」 ライルを連れて行く先は店のトイレ。細い廊下の奥にドアがあり、その廊下のまた更に奥に個室が四つ ほど並んでいる。その一番奥の扉を開いてハレルヤはライルを連れ込んだ。 個室の中は更に二つに仕切られており、化粧台と用を足す場と分かれている。 「ハ、レルヤ…。駄目だよ、こんなところじゃ…。声とか、聞こえちまう…」 「大丈夫だ。少しくらいなら、気分悪い奴がこもってるんだと勘違いするさ」 「ば、か…。そんなの…っん」 個室の扉に鍵をかけ、ハレルヤはライルを化粧台に腰掛けさせながら首筋に顔を埋めた。服の間に手を 差し込み、ライルの感じる場所を触れながら、足を股間に押しつける。 「もうこんなになってんじゃねぇか。これじゃ家までもたねぇだろ。今すぐ楽にしてやっからな」 カチャカチャとベルトの金具を外し、固くなったライルのものを手の中に包んだ。ふるりとライルが震 える。 「ふ…ぅん…っ」 ライルの手がハレルヤの腕にすがるように置かれた。顔はうつむき、声を耐えているようだ。ハレルヤ はゆっくりとライルの性器を刺激する。ライルの手に力がこもり、顔をハレルヤの肩に押しつけてなん とか声を殺そうとしていた。 「む、ぅっん…、んん…ふ…」 「気持ちよさそうだな。もっとよくしてやるよ…」 「ふ、ぇ…?ちょっ、と…ハレルヤ…っ」 ハレルヤは唐突にライルの下着から何から取り払うと、本格的にライルを化粧台の上に乗せ、大きく足 を開かせた。 「や、だ…。ハレルヤ、恥ずかしい…」 「なぁにが…」 ハレルヤはぺろ、と舌を覗かせるとそのままライルの性器に舌を這わせる。 「ぁ…っ!ん、は…ハレル、ヤ…」 シャツの袖で口元を押さえながら震える声でハレルヤを呼ぶライル。ふ、ふ、と息を乱しながら、ライ ルは巧みに舌で愛撫を施すハレルヤを見下ろした。 「ご、め…ハレルヤ…」 「あァ?」 「ホント、俺…どうかして、んっ…。ハレルヤの、それ…っ、んんっ…すごく…、気持ち、いい…っ。 こんな、かっこでも…、こうふん…しちゃう…っ」 赤く染まった頬、潤んだ瞳、透けるような肌、甘い声。それらすべてが愛しいと、ハレルヤは笑った。 「なら、感じてろよ。お前のそういう顔、俺は好きだぜ…?」 ぐりゅ、と鈴口に舌先を入れるとライルはビクン、と体を強ばらせる。 「あっ、〜〜〜っ、ハレルヤ、も…でる…!」 強く手の平を口に押し当て、声を殺しつつもハレルヤの頭を遠ざけようと手を伸ばした。しかしハレル ヤは頑として離れようとしない。ギリギリまでライルの感じる場所を攻め続け、ライルが達する寸前に 口を離し、勢いよく弾けた性を手の平で受け止めた。 ハレルヤはゆっくりと立ち上がり、はぁはぁと息をするライルにキスをする。強い快楽による生理的な 涙を湛えながら、ライルはぎゅっと閉じていた瞼を開き、そろそろと手をハレルヤのベルトへ伸ばした。 「おい、ライル?」 「俺、だけ…やだ…。ハレルヤも…。ハレルヤの…」 取り出したものにライルは手を添えて、覚束ない動きで刺激を与えていく。 「っ、く…。なかなか、だな…」 ハレルヤはライルを化粧台から下ろして背部に近い場所にある窄まった場所へ指を這わせると、つぷり と人差し指を入れた。 「ぁアっ…!!」 中をかき混ぜながら指の数を増やしていく。ライルはハレルヤにしがみつきながら必死に声を耐えた。 一度達しているせいでいつもより敏感になっているのだろう。 ライルは既にシャツを羽織っているだけの状態だったが、ハレルヤもまたライルの性器が腹に当たり、 服が濡れるので上着を床に脱ぎ捨てた。そうでなくても店内の温度は高い。 「ライル、いいか…?」 「ん、…ふふ…、はやくくれよ…。おにーさんは、待ちくたびれちゃってます」 ハレルヤの首に腕を回しながら、ライルは強請るようにハレルヤの唇に吸い付く。口元に笑みを刻みな がらハレルヤはその口づけに応えた。舌を絡ませ合い、ハレルヤはライルの中から指を抜く。その拍子 に「んんっ」とライルのくぐもった声が互いの口の中で反響した。 「入れるぜ。しっかり掴まってな」 「う、ん…。ひ、ぃっ…!!」 片足を持ち上げ、ハレルヤは自身をライルの中へ深く穿つ。肩に押しつけたライルの口から無言の悲鳴 が漏れた。 「ひ、ん…っ、んんっ…んーっ!」 担ぎ上げたほうのライルの足がハレルヤの腰に巻きつく。そのせいでライルの体勢は少し安定したが、 逆にハレルヤにとっては動きが制限される形になってしまう。ぐいぐいと腰を動かすも、思うように奥 へ突けない。 ハレルヤはライルを抱え直すと、なんともう片方の足も持ち上げてしまった。 「アァッ…ン、ふぅんっ…ンッ!!」 急に最奥まで貫かれた衝撃とその熱とに、上げかけた悲鳴をなんとか飲み込む。しかし体の反応は抑え きれず、ぎゅうぎゅうと銜え込んだハレルヤを思い切り締め付けていた。 「んんん…っ!ハレルヤぁ…。おく…、一番奥まで、きてる…っ」 「わぁってる…!お前、もちっと力、抜け…」 「ぅ、ぁぁ…はぁ…、む、りぃ…っ!」 ハレルヤの肩に額を押しつけ、落ちないように腕に力を込めながら、ライルは堪えきれずに喘ぎ声を漏 らす。閉じられない口からは唾液が垂れて、ハレルヤの肌を濡らした。 ハレルヤはグイとライルの尻を両手で掴み直し、ライルも両足をさらにしっかりとハレルヤの腰へ巻き 付ける。 ハレルヤの先端はライルの固い場所を何度も抉り、しかも内壁は熱く締め付けてくる。ライルはライル で、いつもは届かない場所まで押し開かれ、意識は途切れる寸前だ。 「っく、きつ…っ!」 「は、ぁぁっ!?…ハレルヤ…、すご、…ぁぁっ!!」 締め付ける力が緩められることのないまま、ハレルヤは腰を揺すり上げる。ごりっ、とある場所を刺激 した瞬間、ライルの内側はぎゅうぅと収縮した。同時にハレルヤも動きを止める。 「っ、…っっ!!」 「〜〜〜〜〜っ!!」 ハレルヤの熱がライルの中に叩きつけられ、ライルの放ったものも勢いよく互いの腹を汚す。 ハレルヤはライルから己を抜き出し、小さく声を上げた彼を再び化粧台に乗せた。右手は涙と唾液に濡 れた頬、左手は下ろした時に添えた太ももに触れながら、ハレルヤはにやりと笑う。 「顔も腹もこっちも、どろっどろだぞ、おめぇ」 「う、るさいなぁっ!ハレルヤのせいだ。ハレルヤが気持ちよくさせるから…!」 「それじゃあ俺は、先に誘ってきたアンタのせいだと言わせてもらうぜ」 ライルはハレルヤにされる口づけに応えながら瞼を伏せた。離れていくハレルヤを上目遣いに睨みつ け、ライルは未だ残る酔いに任せて言った。 「っ、わかったよ…!じゃあ……綺麗にして」 上半身を倒し、力の入らない足で床に立ちながら、ハレルヤの首に抱きつく。そのまま熱い吐息を漏ら して告げた。 「俺、ハレルヤの指、好きだよ…。だから、俺の中に出した分、全部掻き出して…」 とろりと内股に伝う白濁に不快さを感じ、ライルは僅かに眉をひそめる。ハレルヤはククッと喉奥で 笑ってその跡を指で拭ってやった。 「おめぇ、いっつも恥ずかしいとか言いながら、大胆だよな…」 「んふっ、聞こえなーい」 そう言ってふざけて、酔っぱらったふりをしてごまかしたが、ライルにはライルの思いがあった。 ライルはハレルヤを信じたのだ。どんな弱音を吐いても、情けない姿でも、ハレルヤは本当の自分を愛 してくれると言ったから。本当の自分を知りたいと言ったから。だから甘えたいだけ甘えてみせるし、 時にはこうやって淫らな姿も見せる。 ハレルヤが自分を見限らないかと恐れながら、恋して信じたハレルヤにすべてをさらけ出す。 ハレルヤもまた、そうやって見せつけられるライルのすべてが愛しく、軽口を叩きながら抱きしめる。 「いいぜ、望み通りにしてやるよ。時間が尽きるまで鏡の前で羞恥プレイな」 「え…?うわ、ちょっ…」 あぁ、しかし。酒の勢いで言ってしまったこととはいえ、さすがのライルもそこまで予想はしていなか った。 化粧台の上に乗せられ、流しを跨ぐように膝で立たせられ、尻を鏡の方へ突き出すような体勢にさせら れた。 「ゆっくり綺麗にしてやるかんな。そんで、帰ったらもう一ラウンドやろうぜ、ライル」 恨みがましくハレルヤを見つめるライル。 「………お前、鬼畜だな…」 「おめぇもたいがい淫乱だよな」 二人は暫くそうして見つめ合った後、同時にクスクス笑い始めると、深いキスを交わした。 それから、なんとなく嫌な予感に駆られたアレルヤが他のメンバーにばれないように様子を見に来て、 そろそろ帰るよ、と声を掛けるまで、ライルの事後処理は続いた。 -------------------------------------------------------------------------------------------- かなり変態ちっくなプレイをさせてごめんなさい…。ライルが重度の誘い受けでごめんなさい。 本当は襲い受けなのに(問題はそこじゃない) 思いつきで、この後アレルヤが呼びに来た時の小ネタも書いてしまったので下のNEXTから飛んでくださ い。 2009/03/07 |