KAITO『カゲフミ』



貴方の影を踏みたくて
もがいた刻は八年
夕焼け 明日も晴れるでしょう
貴方の無事をそっと願う

小さな笑い声消えて
微かな残り香、愛し
乾いた岩だらけの荒野に
踏み出すこともできず

嗚呼 十数えて顔上げる その瞬間には
この身を灼くだろう呪いも
貴方を想うこの瞳も
虚しく映るだけ

「ありがとう」と貴方は
手を振り、そして外界(そと)へ旅出た
吹きすさぶ紅き砂を見据えて
か細い腕 似つかわぬ凶器にすがりつくように
廻り行く季節の中を彷徨う



心は風に削られて
住処の白壁(しろ)に溶けてく
貴方を包んだ微光は
やがて薄れ跡も追えず

嗚呼、永い永い時の中何も求めず
体術と気功の訓練も
不老強化された身体も
崩れて移るだけ

「有難い」と僕は
たった一つの遠き祈りを
此の場所で叫んでは叫んでは
嗄れた喉奥で「もう一度会いたい」と
夜に連ねゆく
木霊する季節の中に籠る



「ありがとう」と貴方は
手を振り、そして外界へ旅出た
吹きすさぶ紅き砂を見据えて
「影が無い」と「陰が無い」と……
ただ一つの足りない貴方を
終わらないカゲフミをして見付けた




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ボ/カ/ロに時々ハマります。そして出来上がった替え歌。
「不老強化された」としてありますが、実際は不老であった
のは副作用なので、研究者たちの意図した不老ではなかった
のですが、まぁいいじゃないですか!(オイ

『カギロヒ』でも作成中ですが、いつになることやら…。

2009/06/21

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