+ with + またここに戻ってくるなんてね。まぁ、同じコロニー内とはいえ市街地に住むのは初めてだから故郷 というのは変な気分だけど。 「調子はどう?」 ――うるせぇな。 逝く気満々だった彼は僕が生きる選択をしたのが満足であり、不満だったようで。 あの人と同じように、今は右目を眼帯で覆っているのが煩わしいというのもあるかもしれない。 「ガンダムは全機大破。世界連合は軍を一つにまとめ、協力体制を…――」 ――本気の茶番は滑稽だな。 「世界は破壊を捨てきれない、か…」 店頭に並んだテレビ画面を一瞥し、僕は薄暗い路地に身を潜めた。通りを元人革連の兵士が駆けてい く。 ――人気者だなァ‥‥くくっ 「別に僕を探してたわけじゃないと思うけど‥‥」 コロニー内への侵入がバレていたら四年間も潜伏を続けていられる筈がない。 ――じゃァ、なんで隠れた? 「指名手配中なんだよ?いくら髪型変えてもやっぱり用心はしておくべきだよ」 ――小心者。 「なんとでも言ってくれ」 僕は路地を抜けて隠れ家にしている超兵開発施設の焼け跡に着いた。ちゃんと供養をして、お花も少 しだけど毎日添えて。今では死んでいった子たちの残された思念もほとんど薄れている。 そして僕は知っている。子ども達が教えてくれた。 死んだ人と生き延びた人の名前。 「今日まで僕を隠してくれてありがとう」 色とりどりの飴玉を花に添える。両手を合わせて祈り、僕は立ち上がった。 「行くね。バイバイ」 ――じゃーな。 このコロニーを出て、僕はまた戦いに行く。 嫌いだった筈なのにね、そんな生活。 ――お前の選択は正しい。世界が間違ってんだよ。俺たちの何倍も生きてるくせに破壊を選ぶから‥‥ 「消えない…世界の悪意‥‥」 僕らは知っている。ソレスタルビーイングはまだ死んでいない。 ガンダムはまだ死んでいない。 ――まずは地球だ 「会いに行こう」 確実に居場所がわかるのは貴方だけ。 だから確かめさせて。 貴方もこの世界をまだ変えたいと思っているか。 行ってらっしゃい。 僕らが殺した子ども達は見送ってくれた。 世界を平和にして。 行ってらっしゃい。 アレルヤ ハレルヤ ------------------------------------------------------------------------------------------- 途中から四年後設定にしたから微妙にちぐはぐ(汗) 自分の気持ちを落ち着かせるために書いたネタその二。 2008/03/31 |