母親の、恋人の、同僚の、お見舞い



プトレマイオス、医務室。
ソレスタルビーイングのガンダムマイスターの4人は先の戦闘の反省会、というか謝罪会というか
‥‥母親、または恋人、または仲間の見舞いに集まっていた。

身体中を包帯に巻かれているロックオンはベッドの上で体を起こしており、
ロックオンの左腕をしがみつくように抱いているのは刹那だ。
ロックオンの膝の上で号泣して叫んでいるのはアレルヤ。
刹那の腕の下からロックオンの指先だけ触れてうつむいているのはティエリアだ。



セ「ロックオン…生きてる。でも、怪我、酷い…」

ア「ひどいよ神様!どうしてロックオンなんだよ!僕だっていいじゃない!ひどいよ神様!!ひどい
  よ…!!」

テ「僕の責任だ。万死に値する…!」

ロ「おいおいお前ら。そんなに落ち込むなよ。これじゃ俺が泣くに泣けないだろ」

セ・ア・テ
「「「俺・僕の胸で泣いていいぞ!!」」」

ロ「いや、そうじゃなくて‥‥(汗)」

セ「俺に神はいない。だが、アレルヤの言うようにどうして負傷したのが最も任務に忠実で成果も
  あげてるロックオンなんだ」

ア「そうだよ…っ。僕や刹那はいつも命令違反するし、僕なんか暴走までするし、ティエリアだっ
  て勝手にナドレ使ったりさ…」

テ「神がいるとしたなら納得いかない…!」

ロ「まぁまぁ…俺の運が悪かったんだよ…」

テ「運‥‥か。―――はっ!!」

セ・ア・テ
「「「まさかここでも貧乏クジ!!!??」」」

ロ「いやさすがにそん「そうか!!そういうことか!!」

テ「第二話から報われない貧乏クジっぷりを披露していたのはこの為の伏線だったのか。ヴェーダ
  はここまで計算して「ンな訳ねーだろ!」

セ「すまないロックオン。俺がもっといい子にしていれば…」

ア「ごめんねロックオン。僕がもっと育児に協力していれば…」

ロ「ちょっ、馬鹿野郎!!アレルヤ!お前いまなんつった!?」

セ「俺、ロックオンの子どもか‥‥悪くない」

ロ「おいおい刹那!!?」

テ「アレルヤの子どもということにもなるんだぞ。僕はご免だ」

セ「‥‥‥。(複雑な表情)」

ロ「お前ら何言ってんの!?刹那!悩むんじゃありません!ティエリア!アレルヤを悪く言うな!!」

ア「ロックオン…!!(感涙)」

ロ「あ、いや、別にそんな目すんな「わかった。俺、アレルヤが父親でも我慢する」

ロ「オイィィィッ!!!!」

ア「認めてくれてありがとう刹那!!!!」

ロ「ちょっと待てぇぇぇっ!!」

セ「母さん。俺、母さんが選んだ人ならいいよ」

ロ「誰が母さんだよ!!なに!?俺バツイチ子持ちの設定!?しかも母親!?」

ア「幸せな家庭を築こうね!!」

セ「全力で協力させてもらう」

テ「仕方ないな」

ロ「ティエリアまで何言ってんだぁぁぁぁ!!!!」

テ「僕は養子というポジションを取らせてもらう」

ロ「ままごとじゃねぇから!!お前ら俺の見舞いに来たんじゃねぇのかよ!!!?」





「くすくす‥‥落ち着いて、ロックオン…――」

アレルヤはベッドの端に乗ると、そっとロックオンの頬に手を添えて柔らかく口づけた。

「だから、これからはこれまで以上に貴方を大切にするっていう話」

アレルヤの次に、刹那は甘える子どものようにロックオンの頬にチュッとキスした。

「俺、これからはもっと気をつける」

最後にティエリアがロックオンの指先に唇を寄せて誓いを立てた。

「今度は取り乱したりしない。貴方を守ると誓おう」



「ロックオン…。僕も刹那もティエリアも、みんなみんな貴方が好き。貴方が死ななくてよかった」

「アレルヤ…――」

「ねぇ、ロックオン…。貴方がどんな貴方でも、僕らは一緒に戦う仲間。だから怖がらないで。過
 去も傷も一人で抱え込まないで」



――僕は貴方を愛している



アレルヤはロックオンの頭を抱く。
刹那はロックオンの腕を握り締める。
ティエリアはロックオンの指先を包む。



ロックオンは、たくさんの温もりを肌に感じて

少しだけ泣いた。



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こんなあったかほんわかな展開になればよかったのに…(泣)
まぁ、本編のあまりの鬱展開に頭パーンってなった私と友人Dがこのロックオンのバツイチ子持ち
発言で朝の連ドラを書こうという話が出たんですが、登場人物の設定ができただけで自然消滅しま
した(笑)

2008/03/02

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