アレルヤ CB加入・過去話



「ねぇ貴方、もしかしてどこかの組織で働いてたりしたんじゃない?または現在進行形でそう…とか?
 ――なんてね!冗談よ。そう思わせるくらい、いい動きだったわ」

スメラギの言葉にアレルヤは苦笑。

「半分当たり…です」

「え?」

「僕、孤児院の出身なんですけど、その前は戦闘用の能力開発研究所にいたんです」

「そう…なの」

「その研究所から逃げ出して死にかけてたところを孤児院のシスターに拾ってもらったんです。
 ――まぁ、そんな訳だからそこそこ役に立てると思いますよ」

「――…頼もしいわね」

自嘲気味に笑うアレルヤ。
ロックオンは初めて聞くアレルヤの過去に複雑な思い。
(これまでの話の中でのエピソードを何か入れる。孤児院で育ったから小さい子たちの世話は慣れて
るとか?)


◇


ロックオンの家に帰ってきて深夜。

「!?‥‥なんだ、ハレルヤか。脅かすなよ」

「そっちが勝手に驚いたんだろ」

部屋でハロを修理していたロックオンをハレルヤが訪ねる。
(この頃はイアンのおやっさんが今ほど重要人物になると思っていなかったのでロックオンがハロの
修理やらメンテナンスをしている設定でした)

「どうした、こんな夜中に。お前も疲れてるんじゃないのか?」

「怪我人に言われたくねぇな。――アレルヤが寝てる時じゃないと、内緒話ができないだろ」

ロックオンはいつもと違う様子のハレルヤに、ベッドに座るように勧める。
ロックオンはデスクの椅子に、ハレルヤはロックオンのベッドに腰かけて話し始める。

「昼間の話、覚えてるよな?俺たちが研究所で戦闘能力を開発・強化されてた、って話」

「‥‥あぁ」

「酷い奴らだぜ…。研究所にいたガキを兵器としか見ない。如何に優れた兵器を作るかだけに力を
 注ぐ。その為には、被験者――ガキ共がどんな苦痛を受けようが知ったこっちゃない」

急に声のトーンを下げて「ロックオン…」と呼びかけるハレルヤ。
ロックオンはハレルヤを見つめる。
ハレルヤは自分の手を見つめながら話を続ける。

「俺が、実は“ハレルヤじゃない”、なんて言ったら、お前どう思う?」

「え‥‥!?」

しばらく沈黙。ハレルヤはロックオンを見つめる。自嘲気味に笑って。

(H↓)
「俺は、本当は“アレルヤ”なんだ。辛い実験から逃避したアレルヤが、強い自己暗示で作り出し
 た人格が俺…」



『痛い…苦しい…嫌だ…』

『どうして僕はこんな目に…?どうして僕は‥‥。どうして…どうして‥‥』

『いま苦しい思いをしているのは僕じゃない。いま苦しい思いをしているのは“僕”じゃない…』

『僕は“僕”じゃない。“僕”は“俺”で…“俺”は…そう…“ハレルヤ”だ』

『“俺”は“ハレルヤ”…俺はハレルヤ…』



「そうしてアレルヤは実験を受けている間だけ、自分を“ハレルヤ”と呼んで、次第に“俺”が出来
 上がっていった」

「ある時、“俺”は思った」

『どうして俺はこんな苦しい思いをしなくちゃいけない…どうして…どうして…』

そして決めた。

『“俺”を苦しめる奴らをみんな殺してしまおう』

「俺は研究所にいた研究者共を殺して、逃げ出した。そして孤児院に拾われ、今日まで生きてきた…」
(H↑)

ロックオンは黙って聞いていたが、ハレルヤの言葉が切れるのを待って立ち上がると、ハレルヤの横に
腰かけ、頭を撫でた。

「ずっと一人で、アレルヤを守ってきたんだな」

「!?」

「偉いぞハレルヤ」

「ロックオン…」

「お前はいつもアレルヤの身代わりになって苦しい思いや、喧嘩とか殺しとか汚れたことを、全部
 背負ってきたんだな」

ロックオンを助ける為にテロリストを殴り殺したのはハレルヤ。

アレルヤが高校一年生の時、不良達と喧嘩して罪をかぶったのもハレルヤ。

いつもアレルヤを悪い道に引きずろうとしていたが、本当はアレルヤが汚れるのは嫌だった。

「辛かったな、ハレルヤ。お前もアレルヤと同じで、優しい奴だもんな」

優しいロックオンの声。
ハレルヤは自分の手で顔を覆う。

「俺は…俺の手は…真っ赤だ…。たくさん殺した…。たくさん傷つけた…。でも、アレルヤを汚し
 たくない…!俺は…アレルヤの苦しみを全部、俺が受ける為に生まれたんだから…!!」

「うん‥‥。でもな、ハレルヤ。俺は、お前も逃げていいと思うぞ」

「っ!?」

(L↓)
「たまには汚いこと、他人に押しつけてさ、逃げてもいいと思う。お前ばっかり悪役にならなくても
 いいんじゃないかな」

「今はさ、俺だって少しはお前の代わりになれるだろうし…」
(L↑)

そう言ってロックオンは微笑む。
しかしハレルヤは目を伏せる。

「だとしても、俺は“アレルヤ”だ。きっと争いがなくなったら俺は…いなくなる…」

ロックオンはハレルヤの目を自分の方に向けて言う。

(L↓)
「元は“アレルヤ”かもしれない。だけどアレルヤはお前を“ハレルヤ”と呼ぶ。だったら俺も、
 お前をハレルヤって呼ぶし、別人だと思う」

「それに何より。俺、アレルヤとハレルヤが好きなんだ。何回も言ってるだろ?どちらかなんて選べ
 ないくらい好きなんだ。もしもお前がいなくなったら、俺は死ぬまで泣き続けるよ」
(L↑)

「ロックオン…」

「そうか、ならアレルヤを消して俺が主人格を乗っ取ろうかな。――ロックオンの泣き顔、ずっと
 見ていられるんだろう?」

「なっ!!お前、落ち込んでたんじゃないのかよ!!」

「誰の話だ?」

「うわっ、待て!あいたたた、傷が開く!!待ってくれハレルヤ!んんっ…ん〜んっ‥‥はぁっ!
 はぁはぁ…ちょっ、待ち、ハレルヤ!わかった!わかったから!!今日はキスだけ!できれば苦し
 くないヤツで」

「どうしようかな」

「お前オニだぁぁぁっ!!」(泣)






なんか最後ギャグになっちゃった。ちゃんと話にする時はシリアスで終わらせよう(目標)
・・・とか言って、なんか結局話にしないでメモ書きとして上げてるずさんな作者(汗)


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