Encounter with‥‥



ソレスタルビーイングの秘密基地のある孤島の海辺で、ガンダムマイスターであるロックオン・スト
ラトスとアレルヤ・ハプティズムは和やかに談笑していた。

「ティエリアには悪いことしちゃったかな」

「気にすることないんじゃないのか?アイツは地上が嫌いらしいから」

待機の指示が出ていたマイスター達。しかし地上で待機していた刹那が熱を出したという連絡を受け、
プトレマイオスに待機していたアレルヤがティエリアと交代でDr.モレノと共に地上に降りてきたの
だった。
モレノの診察の結果、ただ刹那が風邪気味なのをロックオンに見つかるまで我慢していた所為で悪化
させ、発熱しただけのようだ。今は薬を飲んで熱も下がり、元気にしている。

「刹那の奴、まだ大人しく寝てろっつうのに早速エクシアの調整に行きやがって…。そんなんだから
 身体壊すんだっつーの!」

苛立ちをぶつけるように砂を蹴り上げたロックオンを「まぁまぁ」と宥めるアレルヤ。

「僕もそうだからわかるんだけど、毎日していたトレーニングを欠かすと途端に体が鈍るから、刹那
 は勘が鈍ってガンダムに乗れなくなっちゃうのが嫌なんじゃないですか」

「そりゃ俺にもわかるけど…」

アレルヤは唇を尖らせたロックオンの横顔を眺め、やっぱり彼はマイスター達のリーダーなんだな、
と思う。

「刹那が気になりますか?」

言いながら、違う意味だとわかりながらもアレルヤの胸の内はズキンと痛む。ロックオンに抱いてい
る叶わない恋心の所為だろう。

「まぁな、アイツ病み上がりだし…」

「そうですね…」

ロックオンはさっきより少しだけ声のトーンが落ちたアレルヤが気になって、ふとそちらを見ると、
どこか淋しげなアレルヤの横顔があった。
なんでそんな顔をするのだろう、と思った。頭のどこかで、それはアレルヤが自分に対して、自分と
同じ気持ちを抱いているからではないのか、なんて淡い期待を抱いてしまう。



アレルヤはロックオンが好きだ。

ロックオンもアレルヤが好きだ。

けれど二人は今の関係が悪化することを恐れて、自分の気持ちを相手に告白できないでいる。





唐突に強い風が吹いた。
ロックオンは髪を押さえて目を閉じ、アレルヤも腕を顔の前に上げて舞い上がった砂から目を保護す
る。
風は小さな竜巻を起こし、勢いを増していく。

「ちょっ、なんだ!?」

ロックオンが叫ぶと共に急激に風の勢いが落ちた。

「なに?今の…」

アレルヤがそう言って上げていた腕を下ろすと、目の前に四つの人影があった。
砂煙が治まり、晴れた視界に現れたのは

「「え…!?」」

「うそ…」

「あぁ?」

「ロックオン?アレルヤ…?」

「‥‥‥‥これは」

黒いスーツのような服に身を包んだ四人の男達。その内三人には見覚えがある。

見覚えがあるなんてレベルじゃない。彼らは…


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取りあえずプロローグです。次回からは多人数出演且つ同じ名前の人が増えますから、文章書きとし
ては苦肉の策で台詞の前に名前いれました。

2008/05/26

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