夢の話 2月28日に見た夢 二期設定。多種ロボットアニメ混在。リアルロボット系のロボット達(エウレカのとか他ガンダムとか) が各地で戦ってます。 そんな中、ライルはなぜかアレルヤにパイスーを交換しようと持ちかけ、押しに弱く、優しいアレルヤ はパイスーを交換してあげる。緑色の機体に乗っているのにオレンジのパイスー、オレンジの機体に乗 っているのに緑のパイスーというちょっと変わった恰好になった二人だったが、別段付き合っていると かそういう訳ではなかった。 ケルディムとアリオスで先に合流地点へ到着していた二人は機体の外に出て刹那とティエリアを待って いた。 荒涼とした丘に廃墟が一つ。その中庭のような空き地へ二機のガンダムは身を潜めるように待機してい る。アレルヤは通信機を取り出して刹那とティエリアに通信を繋いだ。 ア「こっちは到着したよ。あとどのくらいかかりそうかな?」 セ『そう長くはかからない。こちらも移動しているところだ』 テ『それより、いいのか。これでミッションC-56はすぐに開始できる状態になったぞ』 ラ「(ミッショC-56?なんだそりゃ)」 ア「うん。もともと反対してたのは僕だけなんでしょ。だったら合流できしだい、ミッションを開始し よう」 テ『…わかった』 二人のいるのとは別の遠い場所で戦う黒いモビルスーツ。フラッグのような映画版のエステバリスのよ うな機体がシルバーのモビルスーツと戦闘をしていた。どちらが味方なのかは不明。黒の機体がシルバ ーの機体の肩を刺し貫き、その戦闘の決着はついた。 同時にその戦闘をモニターで見ていた謎の組織が手元のスイッチを押す。 世界規模で起こる大地震。 待機していたアレルヤとライルも突然の異変に地面へ倒れた。その上へもろくなった廃墟の大柱や屋根 が落ちてくる。寸前で飛び込んでくる二体のガンダム。刹那とティエリアだった。 瓦礫を押しのけて姿を現すダブルオーとセラヴィーの腕には庇われたライルとアレルヤが気を失ってい る。ハッチを開いた刹那とティエリアはそのままの状態でガンダムを操作し、他の瓦礫をどかして安全 な場所を確保する。 先に気が付いたのはライルだった。セラヴィーの腕から起きあがり、辺りを見回す。 テ「気が付いたか」 ラ「あ、あぁ…。アレルヤは…?」 セ「こっちだ」 ダブルオーの腕の上で気を失っているアレルヤを見つけ、ライルはホッと安堵のため息をついた。 ラ「…なぁ、さっき言ってたミッションC-56ってなんなんだ?俺は聞いてねぇぞ」 刹那とティエリアは顔を見合わせ、刹那はうなずき、ティエリアが口を開いた。 テ「あなたの兄、先代のロックオン・ストラトスが死んだ後、僕が提案したミッションだ。各地の軍事 基地を壊滅させ、無力化し、紛争根絶を早期に実現するためミッション。だがこのミッションはか つてのトリニティ兄妹が行った一方的な武力介入と同じだ。当時の僕はロックオンを失った恨みか らこのようなミッションを立て、同じく多くの仲間を失った他のメンバーも理性を失い賛同した。 しかしアレルヤは違ったんだ」 セ「元から争いを好まない性格をしていたからな。ロックオンを失い、次第にやつれてはいったがアレ ルヤはこのミッションに賛成はしなかった。だがここにきて奴はこのミッションを再度決行するべ きだと言ってきたんだ」 そう言いながら刹那はダブルオーを操作してアレルヤをつり下げる。その丁寧そうでいて意外と乱暴な 動作に当然だがアレルヤは目を覚ます。 ア「あ、刹那…。ロックオン、無事ですか?」 ラ「アレルヤ…」 ダブルオーで掴んだアレルヤの腕をそっと離し、アレルヤは倒れたアリオスの上に下りる。パーツづて にアレルヤの傍へ走り寄ったライルはアレルヤの目の前まで来ると立ち止まった。 ラ「アレルヤ…。お前、なんで今になってC-56のミッションを決行しようなんて言い出したんだ?」 ア「あの頃は…駄目だと思ったんだ。基地の壊滅なんて、死者の数も計り知れないし、なにより…あの 人なら嫌がると思ったから…。トリニティの武力介入をテロのようだと言っていたあの人なら、快 く思わないと思ったから。だけど、今は…違う。今ならあのミッションが有効だと思ったんだ。そ うすれば、あの人の望む世界に近づけると思ったから…」 アレルヤは整った顔立ちで情けないハの字眉の苦笑を浮かべ、続ける。 ア「僕は、僕のような改造人間をこれ以上生み出さないために戦っていたはずなのに、いつのまにか、 あの人が望む世界にしたいと思っていたみたいだね。もう…それを喜んでくれるあの人は…いない のに…。僕がミッションを決行するって決めたって、あの人が知ったら、どんなことを言うかな。 やっぱり、怒られる…かな」 目を伏せたアレルヤの視界に柔らかいブラウンの髪が揺れた。それを意識する前に、唇へ柔らかい感触 が触れる。え、と呟いた声は心の中だけで、アレルヤは離れていくライルの顔を黙って見つめた。 ラ「ありがとうアレルヤ。兄さんのこと、そんなに大切に思ってくれて。きっと兄さんも喜んでるよ。 私怨でミッションを受け入れるんじゃなくて、もともとのソレスタルビーイングの在り方に近い考 えでミッションを決意してくれたんだから」 ア「ロックオン…」 ラ「なぁ、アレルヤ。代わりでいいから…、兄さんの代わりでいいからさ、俺のこと好きになってくれ ないか。もう一度、今度はお前からキスしてくれないか。お前が俺を兄さんと重ねないようにして くれてたのはわかってる。俺とそういうことしたら、兄さんを好きだったお前は嫌でも俺と兄さん を重ねてしまうから、だから俺に触れないようにしてたのも。全部わかってるんだ。だけど俺は、 兄さんの代わりでもいいからお前に「好きだ」って言ってほしい。言ってほしくなっちまった。お 前が好きになっちまった…!」 ア「ロックオン…、駄目だよ。それじゃ僕は本当の貴方を愛したことにはならない…」 ラ「それでもいいから!アレルヤの気持ちは兄さんのものでいいから…!!」 アレルヤは口をつぐみ、ライルを見つめる。ライルもまたアレルヤを見つめていた。 小さく息をついたアレルヤはやがて手をライルの肩へと置く。腰にも手を添えてそっと引き寄せると唇 を薄く開いた。 ア「 」 ラ「アレルヤ……」 ア「 。 …」 ラ「え、……っ」 アレルヤの唇がライルのものと重なる。優しい口づけにライルは目を閉じ、その時堪えていた涙が目尻 からはらりと落ちた。 抗うことなく絡められた舌の熱を追って、一度は離れかけた唇をライルは追う。そうして何度か繰り返 された後、は、と息をついて二人は離れた。 その時、ちょうど頃合いを見計らったように刹那の手の通信機が鳴る。ティエリアに目配せすると、わ ざとらしく咳払いをした彼は声を張った。 テ「邪魔をしてすまないが、トレミーから連絡がきた。ミッション開始の準備が完了したそうだ」 ラ「あっ、わ、わかった!すぐこっちも準備する。じゃ、じゃあまたな、アレルヤ。…アレルヤ?」 顔を赤くして振り返ったライルが返事するのに対し、アレルヤは黙ったまま無表情で彼らのほうを見て いた。 ラ「アレルヤ…?おい、アレルヤ?」 返事のないアレルヤに嫌な予感がよぎるライル。脳裏にはいなくなって久しいアニューの姿が浮かんで 消えた。 ラ「アレルヤ!?」 ライルは怖くなって大声でアレルヤを呼ぶ。アレルヤはフッと小さく笑った。 ア「意外と早かったじゃねェか…」 やっと返事がかえってきた。けれどその声はアレルヤのものであってアレルヤとは違う口調。ライルは 凍り付いた。 ハ「キスはたったの一度きりか。へっ、ご愁傷様」 どういうことだとライルが考える前に、ハレルヤが動く。 ハ「よ、っせっと…!」 ラ「えっ!?うわっ、は、離せアレルヤ!!」 ハレルヤはライルの腕を肩に掛け、膝の裏と背中を腕で支えて持ち上げる。ライルは突然のお姫さまだ っこにあわてふためいた。 しかしハレルヤはそんなことはおかまいなしに「せーの」と体を横に振ると、 ハ「おぅらぁ…受け取れ刹那ァっ!!」 ラ「うわぁぁぁぁっっ!!??」 セ「!?」 思いっきりライルを刹那のほうへ投げた。驚愕しながらも刹那は飛んできたライルを受け止める。 ハレルヤは笑うと、ティエリアの制止を聞く間もなく、アリオスのコックピットへ飛び込んだ。システ ムを起動させながらハレルヤはスピーカーをオンにして告げた。 ハ「悪ィがこのミッション、利用させてもらうぜ!俺は生きていたいんでね!!」 ブォンとアリオスの目が光り、浮上する。その時には他のマイスターもガンダムへ乗り込んでいたが、 アリオスの機動力にはさすがに追いつけない。 アリオスは別の丘へ送り届けられた、本来ならダブルオーライザーのパワーアップパーツとして使われ る筈だったものを遠隔操作して、アリオスとドッキングさせる。単独で地球圏離脱が可能になったアリ オスは宇宙へ向かって高速で移動を始めた。 セ「待てハレルヤ!!」 ハ「待てないね!!」 テ「くそっ、追いつけない…、間に合わないか…!!」 ラ「ハレ、ルヤ…」 宇宙へ抜けていくアリオス。重力に引かれて失速していく三機のガンダム。そこへスメラギから通信が 入った。 ス『みんな、トレミーに掴まって!!』 下方から全速力で上ってくるプトレマイオス。三機のガンダムはそれぞれプトレマイオスの外壁にとり ついた。それを確認したスメラギはフェルトへ指示を出す。 ス「トランザム!!」 呼応して赤く光るプトレマイオス。原動力となっていたのはフェレシュテのGNドライブ。フォンの操 作でトランザム化したアストレアから、874、シェリリン、エコの調整でプトレマイオスへとGN粒 子が流れ込む。 勢いを増したプトレマイオスは大気圏を離脱し、アリオスを追って完全に宇宙へ入った。 スメラギの作戦でアリオスを捕獲した三機は、拘束した状態のままハンガーへ移動する。コックピット の中にはハレルヤが乗ったままだ。 刹那、ティエリア、ライルはアリオスの前に立ち、ハレルヤへ呼びかける。 セ「どうしてこんなことをした」 ハ「………………………」 テ「答えろハレルヤ。これは立派な裏切り行為だぞ」 ハ「俺はガンダムマイスターなんかになった覚えはねぇ」 テ「っ!!しかしアレルヤはマイスターだ!!彼の別人格だというならお前だって…!!」 ハ「…………」 セ「何も答える気はないのか」 ハ「ないね」 セ「そうか。なら、仕方がない」 アリオスの機体にはコードのようなものが巻かれたままになっており、刹那はそれの起動スイッチに手 をかけた。 ハ「ま、待てよ。そいつは、これのスイッチだよなァ?」 セ「話す気になったか?」 ハ「は、だ、誰が…」 セ「そうか」 刹那の指がスイッチにかかる。ハレルヤは焦った声で叫んだ。 ハ「取引だ!!ある組織の奴と取引をしたんだよ!このパワーアップパーツを届けりゃ、俺の体を用意す るっていうからよ!!」 ラ「体…?」 ハ「ああ、そうだよ。俺とアレルヤは二人で一つの体。だからアイツは自分が初めて好きになった奴に 告白すらしやしなかった。俺がいたからな。主人格はアイツだってのに…。俺に気ィ使って、好き な奴を好きだって言わずに…そのまんま逝かせちまった。―――だからよォ…、俺は俺の体が欲し いんだよ。なぁ、ライル?お前のことを好きになってやるって言ったって、俺が他の奴を好きにな っちまったら、そんときはどうすりゃいいんだよ。二股かけていいのかよ。あ?よかねぇだろうが」 だから俺には体が必要だったんだ。ハレルヤはそう言って黙ってしまった。 テ「それでも、ソレスタルビーイングが危機に瀕したことは変わりない。処罰は受けてもらう」 ハ「わぁってるよ…。ただ、これだけは言っとくからな。アレルヤは俺が裏切ることを知らなかった。 これは俺が勝手にやったことだ」 テ「わかった」 ティエリアは刹那に合図をし、スイッチを押させた。 電流とよくわからない不快なものがアリオスのコックピット内へ流れ込んでくる。 ハ「アアアアアアアアアアァァァァ!!!!」 ラ「ハレルヤ!?」 セ「少し痛めつける程度だ。命に別状は…、なんだ…?」 ス『刹那、今すぐ止めて!!システムがハッキングされて別のシステムが混じり込んでしまってるの!!』 テ「なんだって!?刹那!!」 セ「やっている!!だが、コントロールがきかない…!!」 ス『フェルト!プログラム強制終了!急いで!!』 電流と一緒に流れ込んできているのは精神汚染のプログラム。ハレルヤは表に出ようとする片割れに焦 りを感じていた。 ハ「はっ、なに…出てこようと、してんだ…アレルヤ…っ!てめ、すっこんでろ、よ…。こいつぁ…、 表に出てる奴、消す、プログラム…だ」 アアアッ!! 苦痛の声を挟み、左の銀色の瞳に強い光が灯った。強制的にアレルヤがハレルヤと入れ替わったのだ。 ア「いいんだ、ハレルヤ…っ。僕が消えれば、君は念願の…自分の体が手に入る…。だから、いいんだ よ…」 コックピットから聞こえる声がアレルヤに変わったと気づき、ライルは急いた。 ラ「刹那!あれを止めてくれ!!じゃないとアレルヤが…アレルヤが…!!」 セ「くっ!!」 その時、ライルの願いが届いたかのようにシステムが強制終了し、ライルは急いでコックピットハッチ を開き、倒れ込んできたアレルヤの傍へしゃがみ込んだ。 ラ「アレルヤ!!アレルヤ、しっかりしろ!!」 ア「う…、……ライル…?」 ラ「アレルヤ、大丈夫か!?すぐに医務室へ運んでやるから待ってろ!!」 アレルヤの手が動き、傍らのライルの手へ重ねる。 ア「ハレルヤは、無事です…。ショックで気を失ってしまっているけれど、任務に支障は出ないと思い ますから…」 ラ「アレルヤ、何言って…」 ア「ハレルヤならアリオスの機体を使いこなせる…。僕の代わりにハレルヤがマイスターになればいい…」 ラ「アレルヤ…、お前なにを…。まさか、お前…ハレルヤが裏切ることわかってて…!!」 アレルヤは何も言わず、ただニコッと弱弱しく微笑んでみせた。ライルは表情をゆがめ、「ばかやろう …っ!!」と叫ぶ。 ラ「それでかよ!!キスの前に言ったのは、そういうことかよ!!ふざけんな…、ほんと、ふざけんな!!」 好きだと言ってほしいとライルが言ったあと、アレルヤはキスする前に小さな声で囁いた。 『僕は貴方も好きだよ、ライル』 『だけどすぐに消えなくてはいけなくなるかもしれない。それでもいいのなら…』 アレルヤはわかっていた。ハレルヤが裏切ること。その裏切りが失敗して、一応の処罰を受けること。 そのプログラムに精神汚染のプログラムが混ざっており、その盾となる存在が必要であること。 ラ「死ぬなよ、アレルヤ…、死ぬなよ!!」 ライルはアレルヤの体を抱き起こして、ギュッと力強く抱きしめる。 ラ「どうしてだ…。どうして俺の愛した人はみんな死んでいくんだよ…っ。父さんも、母さんも。エイ ミーも、兄さんも。アニューも…!!」 アレルヤはライルの胸に顔を押しつけられながら、ゆっくりと手をライルの背に伸ばした。 ラ「死ぬな、アレルヤ…っ!死なないでくれ…!!」 ア「―――…はい…」 ライルの背を撫で、アレルヤは小さな声で返事をすると、そのままアレルヤの手は力無く床へ落ちた。 「アレ、ルヤ…?アレルヤ…、アレルヤぁぁぁぁ!!!!」 -------------------------------------------------------------------------------------------- 電流が流れるところからは妄想です。ご了承下さい。 だからその前までのハレルヤがなんかおかしい。彼なら拷問を恐れて口を割ったりしませんものね。 このあと、ハレルヤがマイスター入りし、紛争根絶を成し遂げた後でアレルヤが戻ってくるといいな、 と思ってます。ハレルヤはアレルヤの代わりにマイスターになったけど、制服は着なかったり、前髪を 元のように戻したり…。 それからライルはもう誰も好きにならないと心に決めていたり…。 そんな妄想の膨らむ夢でした! |